川崎市は、「環境影響評価方法書」を8月13日に発表し、市民に対して9月26日までの期間、意見書の提出を求めていました。 「宮前区役所・市民館・図書館の移転に反対し鷺沼駅前再開発を考える会」は、区民から出された、様々 な意見をまとめ、駅頭宣伝、家庭訪問、ホームページ等を通して市民のみなさんに宣伝し、意見書提出を呼びかけてきました。 宣伝を通じて、区役所移転や鷺沼再開発への市民の関心が大きいことと、まだまだ知らない区民が多いのには驚きました。 1か月の短期間にも関わらず、12,525通という多くの意見書が集まり、9月26日に川崎市環境局環境室に提出しました。
提出に先立ち、14時30分から1時間ほど記者クラブにおいて記者会見を行いました。 記者からの質問では、「どの位の期間で、どのようにして集めたか、何が意見のポイントか? 今後は?」 などの質問がありましたが、手作りの立体模型や駅周辺地図を用いて以下の通り説明しました。
鷺沼駅前に146m37階建てビル(溝の口ノクテイビルの2.5倍、霞が関ビルと同規模)と92m20階建てビルの2棟の超高層のビル建設が予定されているが、多額な税金を使いながら、70~80%は事業者の利益となるタワーマンションであることは納得できない。国の再開発政策にある「集客力のある公的不動産の活用」という方針にもとづき、区役所・市民館・図書館が移転されたのではと思われます。 意見書の多くは、以下のような心配が多く出されています。 @ 眺望、圧迫感、日照、風害、テレビ等の電波障害が起きること。 A 元々交通渋滞の酷い鷺沼駅周辺道路の拡幅がないまま、2棟のビルへの出入りは「左折イン左折アウト」とされた為、駐車場に入るのに遠く回り道をしなければならないこと、ビルへの出入り口は各棟に1ヶ所のため大変な交通渋滞が予想されること。 B 駅周辺は土砂災害警戒区域であるにも関わらず、何も対策がないこと。 C デッキがないため、北街区へは、車道を横断するため、渋滞と混雑が予想される。 D 憩いの広場は駅前街区のビルの谷間に設けるため、狭くて風害もあり、区民祭などはできない。 E 人口増に対応した鉄道、保育園、学校など社会資本整備の計画がないこと。 F 区役所・市民館・図書館が無くなることで、黒川線道路以北に住む方達の施設利用が不便となる問題の影響を調査し存続をはかること。鷺沼にも区役所支所・市民館・図書館分館を設けること。 G 環境アセスメントは、開発事業による環境破壊を防止するために行うものであり、本来は環境アセスメントを実施する以前に開発準備組合や川崎市から、事業説明がなければならないのに、今日まで、一切実施されていない。会としては、早急に説明会を開催することを求めていくと述べました。
タワー完成後、駅前の交通渋滞の要因にもなる「左折イン左折アウト」のイメージ図
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